~Rui~
司が暴漢に襲われ、記憶を失った
最愛の女…
牧野つくしだけを忘れてしまった
入院中も退院後も、牧野はどんなに司に罵倒されても健気に通いつめていた
俺達でさえ、司の態度、あの女のせいで殆どっていうか、最近じゃ全然行っていないのに
でもある日を境に、牧野はまったく行かなくなった
その頃からか
俺たちF3の事も避けているような気がする
非常階段にさえも来ない…
たまに学校で会うとよそよそしく、逃げるように行ってしまう
総二郎、あきらも何かおかしいと気付きはじめた
いい加減この状態に嫌気が差した総二郎、あきらと一緒に、牧野の教室へ行った
「「「よぉ!」」」
「ああああんた達、な、何でここに来るのよ」
「牧野に話があんだよ、いいからちょっと来い!」
総二郎がそう言うと
「あ、あたし忙しいから」
と逃げようとする
もちろん俺がしっかり牧野を捕まえた
「牧野いこ!」
牧野が言う『天使の微笑』
ってヤツをする
いきなり牧野の顔がボッ///って真っ赤になって、クククッ、すっごく可愛い
「ああああで、でも…」
「ダメ?」
今度はちょっと寂しそうな顔をした
そう、これをすれば牧野はイチコロだよね
悪いけど今日は逃がさないよ
「わわわわ解った、い、行くから」
ククッ
俺は牧野の手を握り、非常階段に連れて行った
「なぁ~牧野、司と何かあったのか?」
まずあきらが優しく聞いた
「べ、別に何も…」
「何にもなきゃ、まったく行かないって変じゃねぇ?」
「へ、変かな?」
牧野、目が泳いでるよ
「俺らも全然、司のトコ行ってねぇ~から、まったく状況が解んねぇ~んだわ」
「エッ?行ってないの…道明寺のトコ…」
「「そ!」」
「だからお前が最後に行った時の事教えて」
「べ、別に普通…もう道明寺の事は…」
牧野が何か隠しているのは、これで解った
んじゃ~話を変えますか
「ねぇ~牧野、最近どうして非常階段来ないの?」
「あっ…え~とそれは…」
「俺らの事、避けてねぇ?」
「そ、そんな事は…ない…」
牧野、すっごく動揺してるよ
ホントにこの姫は、強情で口を割らないんだから…
「まぁ~いいや、明日ランチ一緒にしよ」
「絶対に逃げるなよ!」
「迎えに行くからな!」
そう言って牧野を開放した
その後
今度は司の邸に久しぶりに行った
「てめぇら、何で俺様に会いに来ねぇんだよ!!!」
挨拶もなしで、来て早々司が叫んだ
「男に会いに行ったてつまんねぇからな」
「「なぁ~」」
ハイタッチ!
「司、あの女は?」
「あ~海の事か?」
「名前なんか知らない」
「もうそろそろ来るんじゃねぇか」
総二郎、あきらが顔を見合わせる
「その海ちゃんって娘と付き合ってんのか、司」
「ま~な」
今度は3人でため息をつく
「なんだよ!」
「司、牧野は?」
「あ~?うるせ~女の事か?」