すれ違い 前編3


ねぇ~道明寺
いきなり怒鳴って、しかも突然電話を切ったら、美作さん可哀想じゃ…

「牧野!」

ヒャ~!

「お前、なんで別れたって直ぐに言わなかったんだよ!」

だ、だってそんなア、アピールしてるみたいで言える訳ないじゃん

「いや~その内、言おうかなって…」
「その内ってNYに行く前にでも言えただろうが!」 

いやいや、そんなの絶対言えない
これから先、花沢類と一緒にいたいから勉強してきますなんて…

「もういいでしょ、実際に何も言わずに来ちゃったんだし」
「よくねぇ~よ!類のヤツ、フランスに行っちまったぜ」

エッ…フ、フランス?
あたしがNYに来る間にフランスに行っちゃったの?

「し、仕事で行ったんじゃない?」
「まったくお前は…類の気持ちは知ってんだろ」

花沢類の気持ち?
何の?

「はぁ~お前はホント鈍感だな…類はお前が好きだって解ってるよな?つ~か、好きだって言われた事あるだろ!」

なっ///
そ、そんなずっと前の事、今さら言わなくたって…

「もう花沢類はあたしの事なんて何とも思ってないよ」

あれっきり好きだなんて言われた事ないし

「フン、お前だけだぜ、そう思ってんのは」

そんな事ないって
だってあたしは花沢類に言われた後も、道明寺と付き合ってたんだから

「でもさ、今さらそんな事言っても、何も言わずに来ちゃったし」
「とりあえず誤解だけは解いとかないとな」
「べ、別にいいよ…その内、耳に入ると思うから」

そんなわざわざ報告するなんて、絶対に変だから

「フン、牧野、知らねぇ~ぞ。類も俺様には劣るがモテるからな、女なんか直ぐに出来るぜ」

つ~か、すっごくムカつく!

そんな事解ってるのに、こうやってNYに来て直ぐに…言わなくっても…いいじゃん…


お、おい
牧野…泣いてんのか!?

「牧野、泣くな。この先、色々不安なのに、俺が言い過ぎた、悪かったな」
「ど…道明寺が…謝るなんて…激レア…ハハッ」
「チッ!お前、泣くか笑うかどっちかにしろ!すっげぇ~ブスだぜ」
「わ…悪かったわね、ブスで!」

フッ、類のヤツ
俺様と牧野が付き合っていても、ずっと牧野が好きだったんだ
この先も牧野を思ってんだろ
つ~か、こんな事ぐれ~で諦めるんじゃ~牧野はやれねぇ~けどな

「類は…」
「エッ!?」
「フッ、類はぜってぇ~お前みたいな最強の女、忘れるわけねぇ~んだから、大丈夫だ」
「道明寺に慰めらるるなんて、思ってもみなかったよ」
「チッ!」
「ありがとう、道明寺」

まったくお前は…
そんな可愛い笑顔見せると、益々諦めきれなくなるじゃねぇ~か
類が羨ましいぜ

「お前のありがとうは聞きあきたんだよ」
「フフッ、花沢類と同じ事言ってる…道明寺、あたし負けないよ」

あ?

「例え花沢類に彼女が出来たとしても…それってすっごく嫌だけど…でも闘うから!あたし絶対負けないんだから!」

フッ、牧野らしいな
仕方ねぇ~
悔しいけど、類とお前の為に俺様が協力してやっから

「おう、頑張れ!でもな、その前に根をあげるんじゃねぇ~ぞ。ババァのカリキュラムは半端じゃねぇ~からな」
「う、うん…頑張る」