Uneasiness⑭-3


「ねぇ~花沢類、あたし変じゃない?あぁ~ホントどうしよ…大丈夫かな…」

ククッ
牧野、さっきから同じ事ばかり言って、そんなウロウロしなくても

「牧野、大丈夫だよ。誰にも見せたくないくらいキレイだから」

チュッ!

「なっ///もう、花沢類ったら!で、でもさ、今日はお父様も一緒だから何だか緊張しちゃって」
「いつも邸で一緒にいるのに、今更父さんに緊張する事ないでしょ」

まぁ~
それもそうなんだけど
何か邸にいる時のお父様と、仕事モードの社長の時とは全然違うっていうか
威厳がありすぎて…

ガシャ

「悪いな、待たせてしまって。つくしさん、今日はいつもに増して一段と綺麗だね!一緒に並んで歩けるのが光栄だよ」

ふわぁ~
花沢類もだけど、お父様もすっごくカッコいい!

「父さん、並んで歩くのは俺だから。それに牧野、父さんに見とれて、なに赤くなってんの」

エッ!?
や、やだ///

「す、すみません///とてもステキで…あ、あたしもご一緒出来てとても光栄です///」

まったく牧野は
そういう顔は、俺の前だけにしてもらいたいんだけど
父さんも何で、いつも以上に気合の入った服装してるの

「牧野、いつもでも赤くなってないで行こ」
「そうだな、遅くなるといけない。邸の周りにマスコミが大勢いるそうだから、なかなか出られそうにないからな」

はぁ~
やっぱりね…

道明寺がマスコミを解禁して、初めて公の場に出るんだもん
覚悟はしてたけど
車の周りをマスコミの人達が囲んで、なかなか進めなくて、やっとメイプルに到着したんだけど…

はぁ~
今度はあのズラッとマスコミが並んでいる中を通らなきゃいけない…
無事にたどり着けるんだろうか…

「つくしさん、私が先に出るから、その後に類と…類、頼んだぞ」
「うん」

お父様が降りた瞬間、もの凄いフラッシュ

「牧野、行くよ」

うわわ!
お、降りちゃったよ、花沢類…

「牧野、どうしたの?早くおいで」
「う、うん」

よ、よし!
いつまでも車の中にいるワケいかないし、覚悟を決めて…

花沢類が差し伸べた手を取り、車外に出た瞬間
目がチカチカ!
あまりにも凄くって前がぜ、全然見えない…

「牧野、大丈夫?」

うわぁ!
花沢類、顔近すぎだよ///

「だ、大丈夫だよ///」
「ククッ、牧野可愛い」

ヒャ!
み、耳元でそ、そんな事言わないでよ///

「もう///こんなトコで…も、もしかしてあたしをからかって楽しんでない?」
「ククッ、少しだけね」

父さんに見とれてたお仕置きだよ

チュッ!

ななな何をする、花沢類///
そんな事したら、ほら、また更に…

「やっとマスコミ公認になったからちょっとだけサービス」

まったく…
天使の微笑みで言われたら、何も言えないじゃない///

今日に引き続き、明日もこの映像が…
恥ずかしくって、出来れば当分どこにも出たくないよ
はぁ~大学に行くのが怖い