「知らないって司と何かあったの?」
「あたしね、NYには色々と学ぶ為に行ったんだけど…」
けど、なに?
道明寺邸で…もしや司の母ちゃんがまた何かしたとか
「NYで何かあったの?」
「ううん、NYに行く前…半年位前にもう道明寺とは終わってたの」
エッ!?
NYに行く前に別れてたって事?
「牧野、NYで司んトコに住んでたんじゃなかったの?」
「うん、お世話になってたよ。あのさ、キャッチボールのおじさん覚えてる?」
パッとしないおじさんだけど、大会社の社長だった人だよね
「うん」
司の母ちゃんからの電話の事やNYでの生活の事、色々説明してくれた
でも何で牧野は今、フランスにいるんだろう
それに司と別れたって…何かあったのかな
「牧野、別れた時、司よく暴れなかったね、クスッ」
「ハハハッ、そ、そうだよね///」
あれ、牧野
また真っ赤になっちゃって
「プッ!牧野、耳まで真っ赤だよ、クククッ」
ホント見てて飽きないよ
「は、花沢類!」
「ククッ、どうしたの?大きい声で呼ばなくても、こんなに近くにいるんだから、ちゃんと聞こえるよ、クスッ」
「ハハハッ、ごめん///あのね、あたし…あたしね、花沢類の傍にいたくて、花沢類とずっと一緒にいられるようにNYで頑張ってきたの。道明寺と別れたのだって、あの…花沢類が好きだって気がついたからで…え~と、フランスに来たのは…あっ…んんん…うん」
すっごく嬉しいよ、牧野
ごめん、そういう事は俺から言わなきゃいけないよね
「俺さ、牧野がNYに行った時、牧野と過ごした思い出が沢山ある日本にいたくなくて、フランスに来たんだよね。最初の頃は、牧野を諦めようとしたんだけど、ククッ、牧野みたいな最強な女、忘れられなくってさ。だから俺が最強の男になって自信がついたら、牧野にもう一度挑もうと思ってたんだよね」
「は、花沢類///」
「牧野、大好きだよ」
クククッ、そんなに泣くとパンダになっちゃうよ
これからは牧野が泣いている時はこうやって俺が傍にいて、涙を拭いてあげるから
ククッ、司じゃないから、泣かせるような事はしないけどね
これからずっと牧野の笑顔を傍で見ていられるなんて、今日、牧野が来てくれるまで思いもよらなかった
でもさ、牧野
NYに行く前に話してくれたら、こんな遠回りしなくても良かったんじゃない?
携帯を日本に忘れて、取り寄せない俺もだけどね
「牧野、今日このまま泊まってく?」
「な、なに言ってんのよ、花沢類は///明日仕事だから帰るに決まってるでしょうが」
仕方ない、今日だけね
明日からは一緒にここに住むから
「じゃ~送ってくよ、クスッ」
~翌日~
「花沢専務、新しい秘書を連れてまいりました」
あ~そう言えば、そんな事言ってたっけ
「牧野つくしです。宜しくお願い致します」
ふ~ん
牧野つくしさんね、…女の人だったんだ秘書って…エッ!?
「ま、牧野!」
「ヘヘッ、そういう事なんでよろしく!」
まったく牧野は…
昨日そんな事、何も言わなかったじゃん
チュッ!
「は、花沢類///」
黙ってたお仕置きだよ
「日本へ帰る前に、司のトコに行こうね」
「うん!では、花沢専務、お仕事に頭を切り替えて下さい」
「あい」
もう牧野の傍から離れる事はないから
今まで会えなかった分、ずっと一緒にいようね、牧野