Uneasiness⑤-1


~Tsukushi~

あれから後期の試験も終わり、なんとか特待生を維持する成績を残せて、無事一年が過ごせた

西田さんが最初に現れてから、西田さんはあたしの前に何度か現れたけど、話し掛けられる事は一度もかった…
と言うより、話し掛けられなかったのよね…多分

滋さんが、日本やNY各国飛び回っている西田さんの状況を逐一チェックして

うん、うん
さすが大河原財閥よね!

西田さんが日本へ来た時には、必ずあたしの傍に誰かいてくれるように配慮してくれて…
でも不思議な事に、西田さんが大学に現れた時は、必ず花沢類が傍にいてくれたんだよね

どうしてなんだろ?
も、もしかして
あ、愛の力とか///

「牧野、どうしたの?顔赤いよ」

だってね///
愛よ、ア・イ///

ヒョエ~!!!

「は、花沢類!」

なななんで?

「ククッ、迎えに来た」

そ、そんな突然に…

「今日で大学お休みでしょ?英徳もそうだから」

そうなんだ…

「でも花沢類、仕事は?」
「プロジェクトが一つ片付いたから父さんからお休みのプレゼントを貰った」

お休みが
プレゼントなんて…

花沢類
ホント休みなく
仕事してたもんね

「じゃ~行こ」

エッ!?
ど、どこに???

「は、花沢類?」



「あ、あの…ここは?」
「草津のリゾートマンション」

そりゃ~あたしにだって解るわよ!
標識見てたんだし、温泉のにおいで…

「で、なんで草津?」
「このリゾートマンション、この間終わったプロジェクトの一つで、最上階は花沢物産がすべて所有してるから来てみた」

す、すごい
花沢類がこのマンションを!?

「ククッ、牧野また声に出てる」

ゲッ!

「ハハハッ///で、でもこんな豪華なマンション建てちゃうなんて花沢類はすごいね!」
「ククッ、俺一人で建てた訳じゃないし」

まぁ~そうだけど

「牧野、こっち来て」

花沢類に言われて、最上階専用のエレベーターで最上階に行き、更に共同廊下の中心にある階段を上ると…扉が2つ

右が『男湯』左が『女湯』

「最上階専用の屋上露天風呂」

はい?
最上階専用って…花沢物産しか使えないって事?
それってすっごく勿体無い…

「ククッ、中央の部屋はパーティーとか出来る部屋があったりするVIPルームだけど、他の10室は社員も泊まれる3LDK位の部屋だからいつでも利用出来るし・・・すでに半年先まで社員が予約してるから心配ないよ」

はぁ…それにしても凄すぎ

「明後日からオープンだから今日はここに泊ろ」

え、えぇ~!?

「と、泊るって・・・」
「牧野が嫌がると思って今日は小さい部屋の方にセッティングしてもらってるから、ゆっくりしよ」
「う、うん・・・」

なんか花沢類のペースに巻き込まれてる気がするけど…
温泉入れるし、まっいいか♪
でも良く考えたら…ふ、2人で旅行って感じ!?
は、初めてじゃない?

「牧野、なに赤くなってるの?早く温泉入りに行こ」
「あ、は~い♪」