Uneasiness⑤-5


マンションに戻り、もう一度温泉に入ってから、下の階のレストランに行った

最上階の下の階はすべてレストランになっている
和洋中のレストランとカラオケルーム、おじさん用の飲み屋、牧野が好きそうな居酒屋兼ラーメン屋
今日はオープン前だから、和食レストランしかやってないけど
お店の中のVIPルームに入ると、牧野と優紀ちゃんが窓から見える夜景にキャ~キャ~言いながらへばりつく

「優紀ちゃんも牧野も落ち着けって」
「ククッ、牧野、座ろ」

2人が真っ赤な顔をしながらようやく席につき、食事&飲みが始まった

食事中も

「これすっごく美味しい~♪優紀、食べてみて」
「ねぇ~つくし、これキレイだよね、食べるの勿体ない感じ」

2人で盛り上がってる
こんな時に話すのは可哀想な気がするけど…

「あのさ、ホントは牧野に最初に言おうと思ってたんだけど…みんなに言うのも丁度いい機会だから」
「なんだよ、類。牧野と婚約でもすんのかよ」
「ななな何言うのよ、西門さん///」

ホント出来ればそうしたいけど…

「もしかして婚約通り越して結婚しちゃうとか♪」
「そんな事ある訳ないじゃないですか、滋さん。そんなだったら先輩に先に言ってますよ。花沢さん、もしかして…」

さすがは三条、察しがついてるみたいだね

「おい、類…何なんだよ、勿体振らずに早く言え」

ククッ
相変わらず心配性だね、あきらは
不安そうな顔をした牧野の頭をポンポンと叩いた

「4月からフランスに行く事になった…大学卒業するまで向こうにいる」

察しはついてたけど…
牧野、そんな泣かないで
泣きじゃくる牧野を抱き締める

「毎日、電話するし、時間が取れた時は、必ず日本に帰って来るから」
「う…うん…ご…ごめ…ん…ない…ちゃっ…て…」
「ごめんね、牧野」

牧野の頭を撫でた

「やっぱ俺ら、Jr.だからな、仕方ねぇ~か」
「類んトコの本拠地はフランスだもんな」
「うん、みんな悪いけど、牧野の事…」
「「任しとけって」」
「ククッ、ありがと」
「花沢さん、先輩に悪い虫がつかないように見張ってますから、大丈夫ですよ」

ククッ、三条に任せておけば大丈夫かな

「牧野、浮気は絶対にダメだよ」
「ななな///する訳ないでしょうが///」

プッ!
ハハハッ!
クスクス
クククッ

「な、なに、みんなして笑ってるの?は、花沢類まで…」
「牧野、顔へん…ククッ」
「ヘッ!?」
「お前なぁ~泣き顔で真っ赤になって怒った顔になったらどうなるか…ハハハッ!」
「み、美作さん、そんな笑わなくたって///」
「頼むから牧野、コロコロ顔変えるのやめてくれよ…ハハハッ」
「西門さんまで///」

クククッ

牧野、ホントごめん…

本当は一緒に行きたかったんだけど、せっかく頑張って入った大学をやめさせる訳にはいかないから…

牧野とこれから先、ずっと一緒にいられるように、必ず力をつけて帰ってくる
それまで寂しい思いをさせるけど、俺を信じて待ってて…