Uneasiness⑦-1


「ねぇ~道明寺!あたしの携帯返してくれない?お迎えの運転手さんに連絡しないと心配するじゃない」
「お前少し黙ってろ!話が終わったらちゃんと送ってやるから」

はぁ~
もう、なんだって言うのよ!
話なら今すればいいじゃない
高橋さん、心配してるだろうな…

「そういや、お前…たしかボンビーだったよな?」

な、なによ
今さら聞かないでよ!

「そうだけど?」
「なんで迎えの車があるんだ?」

あれ、知らないの?

まぁ~
NYにいたんだし、あたしの記憶がないんだから知らなくて当然か…

「花沢類のトコの車だよ」
「類はフランスにいんじゃねぇ~のかよ」
「うん、フランスに行ってるけど?」
「じゃ~なんで類んとこの車が、お前を迎えにくんだよ」
「あっ、あたし今、花沢邸に住んでるから…」

ゲッ!
なっ、なんで!?
青筋がピシピシ出てんのよ
こ、怖いじゃない…

「降りるぞ!」

へッ!?
ちょっと…
ここって…
メ、メープルホテル!?

あっ…
そんな引っ張らないでよ!
もう、お願いだから待ってって…
こんなトコ、マスコミに撮られたら…


ん~
美味しい~♪
やっぱり最高級フルーツちゃんは格別よねぇ~

「お前、ホント美味そうに食うな」
「だってホント美味しいんだもん♪道明寺も食べなよ」
「いや、俺はいいから。お前、たくさん食べろ」

そうぉ~
じゃ~
このメロンちゃん食べようかな♪
フフッ、美味しい~

ん!?
な、なに見てんのよ///
あっ
そういえば…

「ど、道明寺…な、なんか話があるんじゃなかったの?」
「あぁ…いや、まぁ~…お前には…その…色々と悪い事しちまったと思ってよ」

はい?
ど、道明寺…どうしちゃったの???

「まだ記憶は戻んねぇ~けど、俺が忘れてんのはお前の事だって…お前の事、忘れてちまって、思い出せなくてホントすまない」

イヤ…
止めてよ…
なに言って…

「お前の顔見て、謝りたくってな…お、おい、泣くなよ」

だって道明寺が…
まるで昔に戻ったみたいに優しいから…

「お前に泣かれると、どうしたらいいか解んなくなるじゃねぇ~か」

道明寺が悪いんじゃない
今さらそんな優しい言葉言わないでよ

「ご、ごめん…でもあ、あんたがいきなり変な事言うからいけないんじゃん」
「変な事かぁ~!?俺様がせっかく謝ってやったのに、お前はまったく…」
「フフッ、道明寺が謝るなんて激レアだもんね」
「っとに、お前、泣くか笑うかどっちかにしろ!すげぇ~ブサイクだぞ」
「うるさい!」

なんか懐かしい…
記憶がなくても言うことは変わらないんだね…道明寺

「お、おい!また泣くのか?お前ホント忙しいヤツだな」
「う、うるさい!」
「…この会話…なんとなく懐かしい感じがするな…」

エッ!?
道明寺…

「な、なにか思い出したの?」
「ん~いや…ただそう感じただけだ。じゃ~牧野送ってくぞ」