Uneasiness④-3


~英徳カフェ~

「花沢さん、牧野先輩大丈夫なんですか?昨日電話したら鉄の女の秘書の西田さんが牧野先輩の大学に来たって…」
「うん、聞いてる」
「聞いてるって…呑気にしてていいのか、類」

良いも悪いも…いつかは来ると思ってたからね

「昨日、牧野から聞いたし、父さんにも呼ばれたから」

俺はみんなに昨日の出来事を説明した

昨日
牧野から電話が来る前、父さんに呼ばれた

「類、さっき楓さんが来たよ」
「父さんに会いに?」
「あぁ、警告しにな」

警告?
牧野を手に入れるとでも


~花沢物産社長室~

「花沢社長、ご無沙汰しております」
「あぁ、楓さんのご活躍はよく聞いてますよ、ところで本日は…」
「お忙しいのに時間を頂きまして…お察しの通り、牧野つくしさんの事で」
「つくしさんが何か?」
「ご子息とお付き合いされているようですが、元は司の…」
「えぇ、伺ってますよ」
「では、お解りですね」
「どういう事ですか?」
「司の記憶が戻ったら…今までのようにはいかないって事かしら」
「ククッ、まぁ~それは、なってみないと解らないね」
「フフッ、そうですわね、お時間を取らせてしまいましたわ、では私はこれで」


ふ~ん
そういう事
司の記憶…確かに警告だね

「○○大学には他にも特待生はいるが、前期の成績でつくしさんがトップだっただろ。それで動き始めたってとこだな」
「ふ~ん、でもどこの会社に入るかは牧野の自由だし、別にいいんじゃない」

ホントは花沢物産に入ってもらいたいけどね

「それはそうだが、つくしさん自身を司君に取られる訳にはいかないんじゃないか、類」
「当たり前でしょ」
「婚約だけでもするか?」
「嬉しいけど…まだ俺が未熟だからする訳にはいかない。牧野を信じてるから大丈夫だよ、父さん」
「解った、ただ相手は鉄の女だ、十分気をつけなくてはな」


仕事を終え、帰る途中、牧野から電話が来た
西田さんが牧野に会いに大学まで来たと…
時間がないからと断って、何も話はしていない
牧野に鉄の女が来たことを話すとすっごく驚いていたけど、最後に

「迷惑じゃなければ、あたしは花沢物産…花沢類と一緒に仕事がしたい」

って言ってくれた

ありがと
俺は牧野を信じてるから…