「司様と滋お嬢様がお着きになりました。こちらにお通し致します」
よし!
道明寺を警戒しつつ、滋さんにも気をつけて…
バン!
「つくしぃ~!」
うぉ!
や、やっぱり…
「待て!滋は空港で既に抱きついてたよな、次は俺様の番だ!」
「あん!もう…つかさったら腕掴まなくたっていいじゃん!」
つ~か
何で道明寺の番なワケ?
あたしはモノじゃないっつ~の!
「なに言ってるの、司。牧野を抱きしめられるのは俺だけだから。大河原は少しなら許してあげるけど」
「つかさ、残念でしたぁ~!類君、ありがとう。じゃ~遠慮なく」
へっ!?
ウゲェ~
く、苦しい…よ、滋さん
「し、滋さん、出来ればもう少しお手柔らかにお願いしたいんだけど…」
「ハハハッ、ごめんね!ついつい毎回力が入っちゃって」
「おい、お前ら!なに俺様だけ、のけ者扱いしてんだよ!類、久しぶりに会えたんだから少しくらいいいだろ。ケチケチすんな!」
はい?
久しぶりに会ったって、抱擁しなくてもいいでしょ
普段から西門さんや美作さんでさえ、そんな抱きつかれた事なんてないのにさ
「司は特にダメ。それ以上の事、企んでそうだから」
「あぁ!?お、俺様が、な、なにするってんだよ」
クククッ
司、動揺してる
やっぱり企んでたんでしょ
「抱擁ついでにキスでもしようと思ってたんじゃない?」
ヘッ!?
花沢類、そんな事あるワケないでしょ
みんなが、ましては花沢類がいるのに
「なっ///お、俺様がそ、そんな事、するワケねぇ~だろ///」
「おいおい、司。図星かよ…牧野、良かったな、大河原が先に抱擁してくれて」
ホントだよ、まったく道明寺はなに考えてるのよ!
「道明寺ったら、まったく、もう!変な事考えないでくれない?」
「ばっ、だから、んな事考えてねぇ~って言ってんだろうが」
「さぁ~どうだかね!前にも前科があるし、信じられないつ~の!」
「なに牧野、いつ司にキスされたんだ?そうか、ホテルの密会の時かぁ~」
ウゲッ!
あ、あたしったら、余計な事言っちゃったよ…
「花沢さん、知ってたんですか?」
「うん。きっと大河原も気づいたんじゃないかな。あの時も牧野にいつもの抱擁してたから」
「ご名答!あの時、つくしからつかさのコロンの香りがしたから、きっとそうかなって思ってた」
ゲゲッ!
し、滋さんまで気がついてたなんて…
はぁ~あたしがしっかりしてないのがいけないんだよね
滋さんにまで、嫌な思いさせちゃって…
「つくし~私なら全然平気だよぉ!久しぶりに会えたのにそんな顔しないでね」
滋さん…
「そうですよ、先輩。どうせ道明寺さんの事ですから、無理やりしたんでしょうから」
「なっ!三条、てめぇ~」
「あら、道明寺さん、違いました?」
「いや、まぁ~…チッ!んなのもう済んだ事だろ。キスした事は変わらねぇ~んだから、いちいちうるせぇ~んだよ!」
クククッ、だからって
司、またキスしようと考えてるなんて、ちょっと図に乗りすぎ
「司、うるさい。牧野、あっち座ろ」
「あっ、うん…あ、あの滋さん、お腹空いてない?」
「さっき食べて来たから大丈夫だよ!」
「じゃ~滋さんの大好きな甘いものでもね!あたし用意して来るから」
「先輩、私も紅茶を入れましょうか?」
「滋ちゃんも手伝うよ!」
「ありがと」
なんか道明寺が来て、居づらいっていうか、落ちつかない…
どうしたら解ってくれるんだろう
何もかもあたしが一番悪いんだけど、このままじゃ…